2019年5月31日金曜日

途切れた会話を繋いで



必死という言葉。
”人は必ず死ぬのだから、残された人は亡くなった人の分まで、必死で生きる”
と坊さんが教えてくれた。
なるほど。そういうことなのだな。
椅子に座りながら思った。妙に納得した。

”必死で生きる。”
果たして僕は必死で生きていられているのだろうか。
見たくないものから目を背け続けている。
後悔先に立たず。だけれど、僕は未だに後悔の上で息をしている。
妙に納得した言葉を受け取りながらも、
それでもなんとなく生きている気がしている。
季節の変わり目で風邪でもひいてしまったのかな。
止まらない咳をしながら、電車に揺られ、なんとなく、本当なんとなく筆をとる。
もう5月が終わる。1日1日が早い。

忘れていく思い出に縛られて、忘れないように言葉を残そう。

と思ったのだけど、辞めよう。

時間がたって、少しは現実から目を向けられるようになったとき、また言葉を残そう。
それまではゆっくり、僕なりに必死で生きよう。
マイペースに行こう。






Run Through

路肩にいるあの花は僕とは違い強く美しい。
"目を背けても何も変わらない。"
繰り返す自問は明日に投げた。

君の皺の数と僕の年を数え、過ぎた季節に浸るよ。
時の流れには逆らわず僕ら、変わることのない朝を迎えよう。

笑いあった日々の続きを指折り数える。
途切れた会話を繋いで。

『夏の夜に鳴る波の音、消えていく面影を残して。』
過去に投げかけたひとりごと。
届かないまま波に攫われていく。
あの日のように、笑える歌を僕がずっと歌い続けるから、
止まらぬ時計の針を抜き、何度目かの夏をともに過ごそう。